解体廃材のリユース・アップサイクル事例集

1. はじめに

家屋の解体というと「壊して処分する」イメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
しかし近年では、解体によって出る廃材をリユース（再利用）やアップサイクル（再生利用）する動きが活発になっています。

木材、瓦、建具、金属など、古い家には価値ある資源がたくさん眠っています。
この記事では、実際に行われているリユース・アップサイクルの事例を紹介しながら、
「廃材をゴミではなく“資源”として活かす方法」を解説します。

用語	意味	具体例
リユース（Reuse）	形を変えずに再利用する	古材・建具・瓦などを別の建物で再使用
アップサイクル（Upcycle）	再加工して新しい価値を生み出す	古材を家具や雑貨にリメイク

これらの取り組みは、環境への配慮や思い出の継承につながるだけでなく、
廃棄コストの削減や地域資源の有効活用にも貢献します。

築80年以上の古民家を解体する際、傷みの少ない梁を丁寧に取り外し、
地元カフェの天井梁として再利用。
「昔の家の温もりが感じられる空間」として地域に愛されています。

🪵 ポイント：古材は強度と風合いがあり、デザイン性も高い。

日本瓦を割って花壇の縁取りや小道の舗装に使用。
自然素材の風合いが庭に馴染み、**“エコガーデン”**として人気を集めています。

🌿 ポイント：瓦は耐久性が高く、再利用しやすい素材。

古い引き戸や障子をリメイクして、照明カバーやテーブルに再生。
アンティーク調のデザインとして、新しいインテリア価値が生まれています。

💡 ポイント：DIYブームで古建具の人気が上昇中。

鉄筋コンクリート建物を解体した際に出るコンクリートガラは、
破砕して「再生砕石」に加工。道路や駐車場の基礎材に再利用されます。

🚧 ポイント：リサイクル率90％以上の高い再資源化実績も。

鉄骨・銅線・アルミなどの金属廃材は専門業者が回収し、
新たな建材や機械部品として再び活用されます。

🔩 ポイント：金属リサイクルは環境負荷が少なく、資源循環の要。